紛争の内容

依頼者であるＸは、Ｙ社にて事務員として勤務していましたが、いくら残業をしても定額の手当以上に残業代が支払われないこと（いわゆるサービス残業）が常態化していることに疑問を抱き、Y社を退社しました。
そこでXはY社に対し未払い残業代を請求することにしました。

交渉・調停・訴訟などの経過

まずXからタイムカード写しや出社時間の分かる上司とのメールのやりとりの提供を受け、未払い残業代の金額を計算しました。その結果、１５０万円ほどの残業代が未払いとなっていることが分かりました。そこでＹ社に対し、内容証明郵便にて、正式に未払い残業代の請求を行いました。

本事例の結末

当初、Ｙ社は弁護士を通じ、解決金としてかなり低額な金額を提示してきましたが、会社の主張が裁判所（判例）の考え方と異なる点などを指摘し交渉を続け、最終的に未払い残業代の満額である１５０万円での解決を得ました。

本事例に学ぶこと

本件では、XがY社退職前にタイムカードの写しや上司とのメールのやりとりを保存しておいたことで、きちんと残業代の計算をすることができました。そのため、未払い残業代の請求にあたっては、そのような証拠を事前に収集しておくことは非常に重要になってきます。

弁護士　小野塚直毅